「I gel(アイ ジェル)」新しい便利な鎮静道具です。 カテーテルアブレーションは激しい痛みを伴いますので、全身麻酔を実施すると楽に治療が行えます。しかし、麻酔中は人口呼吸器を使用しなければなりません。その際、挿管チューブを狭い気管支に無理矢理押しこむので、術後に咽頭の違和感が長く続くことがありました。また、のど周辺の解剖により、この挿管行為そのものが難しい患者さんもいました。
そこで、下の写真のI gelが開発されました。咽頭の奥に押し込むだけで、写真右側の部分が気管支入口をソフトに包み込み、空気を肺に送り込むことができるのです。気管支の中に直接入ることがないので、術後の咽頭違和感がなく、また、挿入行為そのものも、極めて容易に行なえます。
先月から、私はカテーテルアブレーション中にこのI gelを使用し始めました。麻酔薬を使用し、患者さんが完全に寝てしまってから、これを使用します。患者さんが痛みを感じることは全くありません。また、術者にとっても、患者さんの呼吸が不安定になることが一切ないので、手技がとてもやりやすくなりました。成功率の向上に寄与します。
I gelです。左側が人口呼吸器につながり、右側は気管支を包み込むように留置されます。 |