海外では使用可能な薬が日本で使えない。よくある話で、官僚の人手不足が根本的な原因と思われます。
同様、海外で使用可能なとても有用な機器が日本で使えません。カナダのベンチャー企業が開発した高周波中隔穿刺針のことです。針先から高周波電流を流し、簡単に心筋に小さい穴を開けることができます。元々、心臓手術後の分厚い心房中隔を穿刺するために作られたそうです。
普通の心房中隔の卵円窩というところは、伸展性のある膜で出来ているため、先端が鋭利な針で刺しても、ビヨーンと伸びきってしまい、症例によっては穴を開けるのに非常に苦労します。そういう症例では穴が開いた瞬間に針が心臓内に押し出され、開けてはいけないところに穴を開けかねません。心タンポナーデの原因にも成り得ます。
そこで、先の高周波中隔穿刺針をドクターライセンスを使って3本個人輸入し使ってみました。これが非常に良い。とても良い。卵円窩を押す必要が全くない。針を軽くあてて、高周波を流すだけで、安全に簡単に穿刺が可能です。早く全症例でこの中隔穿刺針を使用したい。この機器の使用願いは既に厚労省に申請されていますが、許可が降りるのはいつのことやら。お役人頑張れ!
最後に白いものが現れた時が高周波が出た瞬間です。簡単に安全に心房中隔に穴を開けることができます。この機器を早く使いたい。