「血液サラサラのくすり」という単語をよく耳にします。
心房細動の方から
「前にステント治療をしたので血液サラサラの薬を飲んでいますが、別の血液サラサラの薬を飲まないといけないですか?」
といった質問がよくあります。
私達もわかりやすく説明するときに「血液サラサラ」と表現しますが、「抗血小板薬」と「抗凝固薬」の2種類があります。
・狭心症や心筋梗塞で経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後に内服するのは「抗血小板薬」
・心房細動の血栓予防には「抗凝固薬」
とわかれています。
心筋梗塞後に心房細動を合併した場合は「抗血小板薬」 2種類と「抗凝固薬」 1種類の計3種類の「血液サラサラのくすり」を内服することになります。
そのため、併用は出血リスクの上昇があり、冠動脈ステント留置後に抗凝固薬を併用する場合はワルファリンより直接阻害型経口抗凝固薬(DOAC)が推奨されています。
また、ステント留置から1年以上経過した慢性期では「抗凝固薬」であるDOACのみの内服(リバロキサバン)が推奨されています。
ステント治療後かつ心房細動がある方で「血液サラサラ」の薬を2-3種類内服している方は血栓リスクと出血リスクのバランスを評価したうえで減量も可能なため、担当の先生にご相談ください。
髙𣘺 健太
※髙𣘺Dr外来/毎週月曜(午前と午後)・火曜午前・水曜午前