心室性期外収縮。ほとんどの人が経験したことのある不整脈の一つです。規則正しいリズムで心臓が拍動している時に、タイミングがずれて心臓が拍動するものです。自覚症状としては、「胸の中で心臓が大きく揺れ動く感じ」、「心臓が口から出そうになる」、「咳」等です。症状の無い方もいますが、人によっては非常に不快に感じます。そういう場合には治療の適応があります。通常、最初は薬剤を試します。十分効果がない場合には、カテーテルアブレーションによる根治療法が適応となります。
アブレーション治療は、術中に心室性期外収縮が出ていないと、その起源の同定ができません。そのためには、24時間心電図で最低でも5000発/日以上、理想は10000発/日以上出現している必要があります。逆にいうと、いくら症状が強くて辛くても、心室性期外収縮の数が少ない場合には、アブレーション治療が難しいと考えられていました。
しかし、最近、心室性期外収縮は出現数が少なてくても、イソプロテレノールという薬で、比較的高頻度で誘発できることが分かってきました。外来でその薬を使用して誘発性を確認し、誘発可能であれば、後日改めてアブレーションを実施します。この方法で今までは経過観察するしかなかった症状のある、頻度の少ない心室性期外収縮もアブレーション治療できるようになったのです。
先日も症状が強いけれど、一日600発/日程度しか出ていない、心室性期外収縮の人でこの方法を使用し、根治できた方がいました。同じようにお困りの方はどうぞご相談ください。