発作性心房細動を治療する際に、薬物治療が良いのか、カテーテルアブレーション治療が良いのか。日本循環器学会のガイドラインでは、薬物抵抗性の発作性心房細動に対しては、年間アブレーション実施数が50例以上の施設で行うならば、カテーテルアブレーション治療はクラスⅠ(実施したほうが有益)の適応があるとしています。
薬物抵抗性発作性心房細動に対して、投与している薬を他の薬に変更するか、もしくはカテーテルアブレーション治療を行い、1年後に、どちらの治療が、患者さんの発作性心房細動を上手にコントロールできたかということを調査した研究が8つあります。
結果は下図です。横軸は8つの研究、縦軸が1年後に洞調律を維持している患者さんの割合で、青がカテーテルアブレーション、赤が薬を表します。8つの試験それぞれで結果は異なりますが、平均すると、1年後の洞調律維持率はカテーテルアブレーションが80%、薬が30%です。明らかにカテーテルアブレーション治療の方が洞調律維持率は高いという結果です。この結果は、十分に納得できる成績であり、また上記の8つの研究が行われた施設は、アブレーション実施数が多い施設です。そのため、ガイドラインで、年間アブレーション症例数がある程度多い施設で実施するならば、カテーテルアブレーション治療は薬剤抵抗性の発作性心房細動患者さんにクラスⅠの適応があるとなった訳です。
タイトルの答えですが、発作性心房細動に対しては、まず薬物治療を試し、それで効果がないようならば、カテーテルアブレーション治療の適応があるということになります。しかし、最近では、第一選択として、薬ではなく、カテーテルアブレーション治療を選択しても良いのではないかという研究も行われるようになりました。その結果はまた後日。
縦軸は治療開始1年後の洞調律維持率、横軸が8つの試験、青がカテーテルアブレーション、赤が薬物治療を表します(1)。 |