カテーテルアブレーションとは、不整脈の発生起源もしくは原因回路の一部を焼灼し、不整脈を停止させる治療です。では実際にはどの様に焼灼しているのか。
カテーテル先端を標的心筋に接触させ、背中に当てた大きな対極板に向けて、高周波の電気を流します。そうすると、心筋に接しているカテーテル先端の面積は小さいので、電流密度の高い電気が心筋に流れる。その際に、カテーテルに接触している心筋が高温になり火傷するのです。
下図はその様子を動画で示したものです。通電開始とともに、カテーテル先端周囲の心筋が徐々に白くなっていくのが分かると思います。熱により、心筋がタンパク変性していくようです。焼灼時の心筋の温度は80℃以上になります。
焼灼の範囲が大きいように思われるかもしれませんが、実際のアブレーション時は、カテーテル先端がこの動画のように、心筋内にのめり込んでいるわけではなく、心筋表面に接しているだけで、また心筋は絶えず動いており、カテーテル先端は少しずつずれるので、最大で直径が5~8mm、深さが5~8mmの焼灼痕を作る程度です。